2021/09/15

KPK2000鎌倉プラン研究会の活動

 (「風と潮流」に載せたKPK紹介)

新旧鎌倉絵図屏風をご存知ですか
ーまちづくり専門家による計画提案活動ー
鎌倉プラン研究会 伊達美徳
(2000年)

 江戸初期の京都のまちなみを描いた「洛中洛外図屏風」(作:狩野永徳)という重要文化財がある。鎌倉のまちなみを描いた「新旧鎌倉絵図屏風」(作:鎌倉七福神講)という名作?があった。え、ご存知無いですか。
 それも当然のこと、七福神講とは実は「鎌倉プラン研究会」(通称KPK)のことであり、1993年11月鎌倉市主催「まちづくりシンポジウム」に制作発表したのだ。KPK活動のひとこまである。その後、屏風は杳として行方知れずだが、いつの日か鎌倉のお宝?になって発見されるだろう。

「新旧鎌倉絵図屏風」披露の様子 1993/11

●専門家集団の役割は
 
まちづくり問題が鎌倉のあちこちで起きているが、百人百意見ありの一方では厚い無関心層もあり、まとまるものもまとまらない。
 それならば、専門家として口と頭と手を動かして、具体的な提案を行えば何かが変るかもしれないと、91年初夏、自称まちづくり専門家が集まってKPKを結成した。都市や建築関係の研究者、デザイナー、プランナーなど、鎌倉在住の30から50歳代の男女7人である。

 まずは勉強だとて、月例会で研究を持ちよったり、まちづくり問題現場に出かけ、時には泊りがけ合宿もした。会則も会費も会長もなしだが、持ちまわり幹事、実費徴収や原稿料収入で、この9年間円滑に運営されたのは、自分で言うのもナンだがさすがプロ仲間である。専門分野が少しずつ異なるのも研究活動に互いによい刺激になる。

 そんないいかげんに見える集まりだが、会として二つの基本スタンスがある。
 第1は、計画哲学として、鎌倉のまちづくりを考えるとき、いわゆる新鎌倉と旧鎌倉とは密接な対の関係にあり、互いに補完しあってこそ鎌倉が成り立つものとすることである。
 第2は、活動原則として、会の名での現地型の活動はしないものとした。専門家として市民・行政・事業者の間を結ぶ自主研究と提案活動の場であり、それぞれが市民として現実のまちづくり活動は別個に行うのである。実際、メンバーそれぞれに市民活動の場に参加したり、新たな運動の場をつくったりしている。

●5年がかり62提案
 
そうこうするうちに、自主研究を発表したくなってきた。
 93年4月から月刊コミュニティ紙「鎌倉朝日」に、大きく振りかぶって「鎌倉の新しいグランドデザインを描く」と題し、月例会で検討した提案をメンバーがリレー式に執筆連載を始めた。
 5年間62ヶ月も休まずに連載できたのは、同紙の藤沼正人編集長(故人)の表裏にわたる励ましがあったことを、感謝して記しておかなければならない。

発表した提案を整理してみよう。
 第1に「環境提案シリーズ」は、水緑回廊、環境ミュージアム、緑の役割と質、大景観条例、若宮大路マンハッタン?、若宮大路段葛と御谷川復元、歴史的建築保存、土木遺産、鎌倉らしい住宅、マンション開発など。

 第2に「交通提案シリーズ」は、環状道路、深沢の交通、海岸環境、パブリックフットパス、市民による道づくり、ちゃりんこ復権、江の島環状電鉄など。

 第3に「新鎌倉提案シリーズ」として、大船・深沢の歴史、新鎌倉田園都市、市役所移転、大船ファッションタウン、大船駅再開発など。

 第4に「総合都市論シリーズ」として、鎌倉学のすすめ、鎌倉科学大学、鎌倉新ワークショップ都市など。

 第5に「わが街発見シリーズ」で、街を見直す提案をした。こうして整理してみると、その多彩な充実ぶりにわれながら驚く。

●提案を世に問う新展開

 この間に、都市計画マスタープランに市民団体として意見をだしたりもしてきたが、連載が終わると虚脱感がメンバーに流れてきた。どうも連載という活動手段がいつの間にか活動目的になっていたらしい。反省もある。

 そこで、まちづくりは内々研究だけでは展開がない、積極的に表に出ていこうとて、99年10月に「みんなでつくろう自分のまち」と題して、こんどは自主企画の「まちづくりシンポジウム」を共催した。
 多数の参加を得て、専門家対市民の論争で商工会議所ホールは熱気に包まれ、大成功だった。やれば何かできる。

 現在メンバーは10人になっているが、これからどうするか。KPKは次の展開への模索期に入っている。もっと輪を広げるか。まずは、あれだけ量と質を持つ提案を、しっかりと世間に問いたい、それが次なるKPK活動の課題である。(以上  2000/09)

注:小論は、「鎌倉市民活動白書 風と潮流ーこれからの地域と市民社会」(2000.11 編集:鎌倉市民活動センター運営会議 発行:ぎょうせい)に載せた。

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鎌倉まちづくり本「風と潮流」紹介

 今、全国の市町村で、市民活動を支援するセンターづくりが、静かに進みつつある。鎌倉でセンターをつくるまでの苦労、つくってからの運営、そしてこれからのあり方を展望する、市民が書いた市民による市民のための白書が出た。

 鎌倉市民活動白書 「風と潮流」 これからの地域と市民社会
   (鎌倉市市民活動センター運営会議編著 ぎょうせい発行
    ¥2500 A4版 160ページ)

 鎌倉には、うるさい人たちがいっぱいいる。みんな一生懸命にまちづくりに参加する。同じ目的の活動でも、俺のやり方が違うと、それぞれ別の活動団体を作ったりすることはしょっちゅうである。だから人口17万人の町で、市民活動団体が、一体いくつあるのか分からない。社会性公益性があるだろうと見られるのだけでも約250はあるらしい。風致保存会のような500人超えるのもあれば、ひとり団体だってある。 

 そのような鎌倉で、行政が市民活動支援のセンターをつくろうとすれば、どんな騒ぎになるか想像がつこうというものである。それがなんと、2年がかりで市民と行政とが本気で取り組んで大騒ぎの末、公設民営のセンターが昨年オープンしたのだ。しかも2箇所もである。

「そこに行けば他の活動団体の誰かにに出会える」ためには、市民が直接に積極的に運営に関与すること、それには自分たちで運営することとなる。
 市民がつくった「鎌倉市市民活動センター運営会議」(藤井経三郎理事長)で、NPO法人格もとって、自分たちで切りまわしているのである。
 開設してはや1年、全国初の公設民営市民サポートセンターは、時代の風と潮流を確実にとらえようとしている。

 お申し込み、お問い合わせは、
  ★NPOセンター鎌倉  〒248-8686 鎌倉市御成町18番10号
    月―金 電話0467-23-3000 内線655 FAX 0467-60-4555
    土 電話0467-23-3005 内線655 email npo@fsinet.or.jp
    URL <http://www.fisnet.or.jp/~npo-kama/>

(2000年9月)

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